LLMエージェント(Claude Code 等)で連作・シリーズ小説を 企画立案 → 物語設計 → 物語執筆 → 最終検証・Fix の四工程で制作するための、作品非依存のワークフロー文書+機械検査ツール一式。
実運用の創作プロジェクトで数十巻の制作を通じて育った手順・禁則・検査を抽出・汎用化したもの。蓄積台帳(進行・署名・布置)は空の初期状態から始まり、利用者が自分の作品で学習値を積んでいく設計。
- 失敗から規範へ、規範から機械検査へ——実際の執筆事故(開示順の先出し・口調の取り違え・再記述型の水増し・設定の無記録変更 等)が、手順書の観点・禁則と19本の検査スクリプトに落ちている。根拠は付録に実例つきで残る。検査スクリプト自体も回帰テスト(
run_selftest.py・19ケース)で守られる。 - 統合ランナー1コマンド——
verify_volume.pyに巻フォルダを渡すだけで、表記・字数・文体・定型句反復・秘匿名漏れ・温存総量・物語エンジン反復・開示順(伏線の先出し)・作品横断の署名類似度までを一括検査。 - 減点と加点の両輪——事故を防ぐ検査群に加え、「面白さ」を測る回路(二系統評価・面白さの下位変数・布置台帳)を持つ。
- 署名管理——作を重ねると滲む「同じ書き手の型」(締め方・縦軸の進め方・物語エンジン)を台帳と型バンクで意図的にずらす。
- 運用強度の二層——毎話のコア必須と高比重時のフル工程を区分し、省略は記録に載せる(無記録の間引きを防ぐ)。
# 1. シリーズフォルダを起票(検証設定.json と 執筆ガード.md を生成)
python3 システム/scripts/init_series_setup.py シリーズ_<名> --title "作品名"
# 2. 物語設計で TODO を埋め、着手前ゲートを通す(exit 0 まで)
python3 システム/scripts/check_setup.py シリーズ_<名>
# 3. 本編を執筆(各話の初稿前に 執筆ガード.md を読む)
# 4. 巻完成検証(★REVIEW が消えるまで直す)
python3 システム/scripts/verify_volume.py シリーズ_<名>/第NN巻
# 5. 合本生成+前付け検証
python3 システム/scripts/build_gappon.py シリーズ_<名>/第NN巻 --title "作品名" --volume "第N巻"詳細は システム/クイックスタート.md を参照。
四工程を直列に進み、各所の機械ゲート(exit code で判定)と還元ループ(本文で確定した新事実をその場で設定資料へ戻す)が品質を支える。Fix(凍結)の宣言は常にユーザーが行う。
flowchart TD
A["工程1 企画策定<br/>企画書の七点読解・仕様確定"] --> B["起票 init_series_setup.py<br/>検証設定.json + 執筆ガード.md を生成"]
B --> C{"着手前ゲート<br/>check_setup.py"}
C -->|"TODO残り = exit 1"| D["工程2 物語設計<br/>設定資料五点・プロット・エンジン表<br/>温存台帳・認知状態台帳・開示リスト"]
D --> C
C -->|"exit 0"| E["工程3 物語執筆(話ごと・逐次)<br/>執筆ガード → 初稿 → 機械検査<br/>→ 通し精読 → セリフ整合"]
E <-->|"即時還元<br/>新事実を設定資料へ・差分ゼロ確認"| R[("設定資料・台帳群")]
E --> G{"巻完成検証<br/>verify_volume.py(統合ランナー)"}
G -->|"★REVIEW あり"| E
G -->|"★ゼロ"| H["合本 build_gappon.py<br/>前付け自動生成+検証"]
H --> I["合本二系統評価<br/>読者A(設定非開示)/編集B(全把握)<br/>+面白さDのアンカー採点"]
I --> J["収束反映 → ユーザーの Fix 宣言<br/>=凍結・タグ"]
通常話は「コア必須」の工程のみで回し、山場・巻末・巻完成時にフル工程を課す二層運用を採る(省略は必ず巻情報に記録=無記録の間引きを防ぐ。手順書 §0)。
各層は前の層が原理的に拾えないものを捕まえる。機械は候補出しであり、最終判断は常に人(通読)に置く。
flowchart LR
L1["第1層 機械検査(候補出し)<br/>verify_volume.py が一括実行:<br/>表記・字数・文体・定型句反復・秘匿名漏れ<br/>開示順の先出し・温存総量・エンジン反復<br/>署名類似度・文書参照の回帰"] --> L2["第2層 通読(最終判断)<br/>観点A〜L:時系列・知識整合<br/>開示リスト・推論の妥当性・メタ表現 ほか"]
L2 --> L3["第3層 独立評価(別の目)<br/>読者A=設定非開示/編集B=設定全把握<br/>の情報非対称ペア + 文章C + 面白さD"]
L3 --> L4["第4層 外部評価(同族性対策)<br/>人間読者 or 別系統モデルを<br/>3作ごと・完結巻で投入"]
第4層が要るのは、内部評価器が執筆者と同系統のLLMであるため——モデルの既定が生む「署名」を、同じ既定を持つ評価器は「自然」と感じて検出できない(手順書 §5-5)。
このシステムの本質は手順の集合ではなく、運用のたびに賢くなる仕組みにある。台帳は空の状態で配布され、利用者自身の作品で学習値が蓄積されていく。
flowchart TD
subgraph N1["減点の学習(事故 → 防御)"]
K1["執筆事故・読者指摘"] --> K2["付録へ実例を記録(起因タグ付き)"]
K2 --> K3["手順書の観点・禁則へ昇格"]
K3 --> K4["scripts で機械化=回帰検査"]
K4 --> K5["執筆ガードで予防(生成側へ還元)"]
end
subgraph N2["加点の学習(成功 → 再現)"]
P1["効いた場面"] --> P2["布置台帳へ記録<br/>(結論でなく 材料×置き方 の粒度)"]
P2 --> P3["次作の盤面設計に使う<br/>(着地は空けて創発に委ねる)"]
end
subgraph N3["署名の管理(反復 → ずらし)"]
S1["作をまたぐ型の反復を検出"] --> S2["署名台帳・型バンクへ"]
S2 --> S3["次作で別の型を割当<br/>(効いた反復=様式美は保護)"]
end
三つのループにはメタ規律が敷かれている——「ある問題を肯定的処方で治すたび、その処方自体が次の署名になる。ゆえに処方は単一の義務・模範例でなく、必ず型バンク+割当で導入する」(署名管理 §0)。
正本は一意。CLAUDE.md は自動読込される入口(ポインタ)のみで、工程・禁則の実体は WORKFLOW_汎用手順書.md にだけ置く。付録が根拠(なぜ必要か)を、台帳群が状態(いまどうなっているか)を分担し、二重化による「どちらを直すか」の取り違えを構造的に防ぐ。文書間の参照は scan_doc_refs.py が回帰検査する。
CLAUDE.md ← LLMエージェント向けの入口(自動読込・文書の地図)
README.md ← 本ファイル(人間向けの入口)
システム/
├── クイックスタート.md ← はじめての最小フロー一枚
├── WORKFLOW_汎用手順書.md ← 制作工程・チェック手順の唯一の正本
├── WORKFLOW_付録_教訓と実例参照データ.md ← 各禁則・観点の根拠集
├── 署名管理_構造の指紋.md ← 作をまたぐ構造反復の回避
├── 加点回路_面白さと布置.md ← 面白さの測定と布置台帳
├── 執筆前チェックリスト.md ← 頻出欠陥の予防一枚
├── 作品進行台帳.md ← 全シリーズの進行状態(初期状態は空)
├── ラジオドラマ_制作ワークフロー.md ← 音声化の第二制作系(要 voice-studio-mcp)
└── scripts/ ← 機械検査スクリプト一式+雛形
examples/
└── シリーズ_真夜中貸本屋/ ← 工程一巡の見本作品(企画→執筆→検証→評価の成果物一式)
読む順:クイックスタート → WORKFLOW_汎用手順書 → 文書索引は システム/README.md。
- Python 3(標準ライブラリのみ・外部依存なし)
- Git(バージョン管理は全工程の前提。手順書 §1-2)
- 日本語の縦書き文化圏の表記規約(全角記号・漢数字等)を前提とした検査を含む
CLAUDE.md が自動読込される入口として機能する(Claude Code / Cowork を想定。他の環境でも各文書を読ませれば運用可能)。エージェントは手順書に従って企画確認・執筆・検証・台帳更新を進め、機械検査を各ゲートで実行する。